2003.8.5
グラスワールドにいたアオサハギの幼魚です。だいたい2cmぐらいで一生懸命サンゴの枝の陰に隠れていました。大人になっても5cmぐらいのこの小型のハギはとても愛らしいので見つけることができると、ちょっとうれしくなります。この日の彼は、見つかったのが気に入らないのかちょっと目が怒っていました。まるで、「ちぇっ!みつかっちまったか!」と舌打ちしているようでした。サンゴの陰になるようにを、すこしづつまわりながら、隠れていましたが、あまりしつこく撮っていたので、「もう〜いやっ!!」とばかり泳ぎだしてしまいました。途中スズメダイに襲われそうになったりして、岩のすき間へと泳いでいきました。ちょっとかわいそうなことしてしまいました。
この時期、海の中は幼魚でいっぱいです。春から始まった様々な生物たちの営みはまるで、海中を小さな生物で埋め尽くすような感じです。それを小魚が食べようと活発に泳ぎ、もう少し大きな生物がそれらを食べ、大型の回遊魚やサメが暖かくなった海流にのってやって来ます。当たり前のように語られる「食物連鎖」ですが、海の中は、いたるところで、求愛や産卵行動を目にし、見えないくらい小さなアミや幼魚が泳ぎまわるのを見ると、その生きることの輪廻を垣間見るような気がして、とても幸せな気分になります。ほんの岸から20〜30mのたかだか水深10メートルそこそこも海の中(それでもかつてに比べれば相当に痩せてしまったのでしょうが)の豊かさがとても愛おしいものに感じられます。

100ミリで撮りました。明るい浅い海はちょっとストロボを弱めにするとやわらかな太陽の恵みを感じることができるような気がします。

ところで、明日は「ヒロシマデー」ですね。人類史上3度目の「核」の使用が行われるかもしれないという恐怖が日増しに高まっているような今、「ヒロシマ」そして「ナガサキ」は、僕たちに何を指し示しているのでしょうか。