今回の柏島では、初めて、ナミダカサゴに出会いました。マル珍中のマル珍、幻のあのナミダカサゴです。一瞬、ニセボロ・・?と思いましたが、下顎にヒベンがないので、ナミダ!かぁ。その瞬間、叫び声(その時、まわりにいた人はみんな聞いたらしい)を上げ、エライ、テンションがあがりました。その時、持っていたのは180ミリ(実は勤崎に行く予定でスジクロねらいだったんで180ミリ)とフィルムのフィッシュアイ。迷わずフィッシュアイでにじり寄りました。この写真だと目の下のナミダがあんまり良くわかりませんが、(まま、ドームポートのほんますぐ前なんで上からのストロボのためしかたないけどね)脱皮したばっかりなのか、とても綺麗な個体でした。色は、フィルムは赤く写っていますが、ほんまはとても綺麗な黄色で(マクロの方は黄色く写っていました)ウットリしてしまいました。しかし、いかんせん、30メートル!減圧は刻々とたまっていきます。皆さんは早々に上に上がっていきましたが、ちょっと粘っちゃいました。そんでもって、もう一回とリクエストしちゃいました。まぁ、ナミダ君やから、この際、うっとうしいお客やなぁと思われてもしゃぁありません。このときばかりは、ボートが着いていて勤崎に潜れなかったことが幸いしました。都合50分ほどナミダ君激写です。
16ミリ+コンタックスAXで撮りました。フィルム面が動いてオートフォーカスするAXは、ほんまポートにくっつくまで近づくことができます。その分ライティングが難しいですが、寄って、寄って、寄って、比較的逃げないナミダカサゴ君だったんでうまくいきました。もう少し小さなポートだともっとよれるかな・・・、
日本の海水魚にはニセボロカサゴの項に、下顎にヒベンで見分けられると書いてありましたが、実際の所、ニセボロカサゴとナミダカサゴの決定的な違いがよくわかりません。ネットで検索しても、この子によ〜く似た子がニセボロカサゴと書かれていたり、ニセとナミダは、近く同じ種になるような話も聞いたことがあるんで、ここは、一発、瀬能先生に同定依頼するしかないということでメールしました。返事はすぐにいただけ、大感激です。内容は
ナミダカサゴとニセボロカサゴについては最近少し研究が進んでおり、今回のものはナミダカサゴに同定してよいと思います。一番の違いは、ナミダカサゴの場合、背鰭の鰭膜に切れ込みがほとんどないことです。それに対してニセボロカサゴでは鰭膜が大きく切れ込んでいます。この点に注目すると、ナミダカサゴはむしろニセボロカサゴよりも記録される頻度が高いかも知れません。また、日本にはまだ和名の付いていないこの仲間が2種ほどいて、鹿児島大学の博物館の本村氏が中心となって研究が進められています。
ということでした。え〜、ナミダ君よりよりニセボロさんの方がマル珍なの・・・?まぁ、どっちも見ることができたらすごくラッキーですけどね。
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