昨日の日曜日は、名古屋市美術館でやっている、安井仲治のすべてという写真展を見に行ってきました。安井仲治さんは、大正から昭和の初期、つまり戦前に主に関西で活躍されたアマチュアの写真家です。アマチュアとは言っても当時は、今のようにプロの写真家など殆ど存在しない時代です。写真の表現や可能性を各地の写真サークルなどで活発に議論され、毎月の例会や同人誌などで発表していたらしいのです。中でもこの安井仲治さんが所属していた関西の丹平写真倶楽部というのは、大変に気鋭の人たちが熱心に写真をやっているサークルだったらしいです。その安井仲治さんのオリジナルのプリントやら新しく焼き直したプリントなどで構成された写真展です。
僕が写真のことを考えようとする時にどうしてもはずせないのが、森山大道さんとこの安井仲治さんです。森山さんは、僕が写真を始めようとした高校生の時に「写真よさよなら」という全くそれまでの写真の有り様を一変させるようなパワーを持った写真集だしました。その写真を見て、なんだか良くは判らなかったけどそのパワーだけはひしひしと感じたことを覚えています。森山大道さん現役の写真家ですから今でも何ら変わることのないパワーでどこかの街で撮っているんだとおもいますが、僕はその森山さんから写真への情熱を学び、安井仲治さんからは、写真をやる上でも、その心情というか、ものの見方というか、旨く言えないのですが、写す向こうの「存在そのもの」を見るというか感じるというか、その上で、自由で闊達な表現があるのだという、戦前という、自由と不自由が複雑に絡んだ時代でも、その自由で闊達な心根は絶えることがなく表そうとすることに対して真摯に生き続けることが出来るということを学んだような気がします。安井仲治さん写真展は名古屋で3月までやっていますので、機会があれば是非見て欲しいです。
携帯で撮りました。
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