2003.5.29
ホンダワラの茂る黄金崎ビーチです。陸ではそろそろサクラかなという頃から茂りはじめ、5月になると本当に海の中の森のように茂ります。その林は、これから産卵する魚たちや生まれたばかりの幼魚にとっては格好の隠れ家です。そして、荒波にひきちぎられたホンダワラの流れ藻は、広い海のオアシスのようになって小魚などのねぐらにもなります。時にはその流れ藻にハナオコゼなどの肉食魚などがついていることもあります。水深4、5メートルぐらいまでのこういった植物は、いわば海の健全さのバロメーターでもあるわけですが、残念ながら今の日本の海では日に日にこれらの海草が少なくなっていると聞きます。護岸工事やテトラポッドや埋立などによってです。最近では漁業関係者などがアマモの復活に取り組んでいるという話も聞きますが、なかなか、なくなってしまったものを取り返すのは大変なことだと思いますが、ガンバッテほしいものです。でも、そんな人間の営みなどまるで関係ないように、黄金崎ビーチのホンダワラは、毎年毎年、豊かに茂っています。そして、様々な生き物のゆりかごや生存競争の場となっています。僕はその周りを回りながらその有り様をちょっとだけでも見ていきたいと思っています。

フィルムで15ミリを使って撮りました。こういった水色のグラデーションは、やっぱりフィルムのほうがきれいです。デジタルはなんとなく嘘臭い水色になってしまうような気がします。

これは、流れついた多分雄だとおもわれるミズクラゲとホンダワラの林です。普通海岸に流れつくクラゲはカワハギやキタマクラなどの格好のエサとなってボロボロなのですが、このミズクラゲは比較的大きくまだきれいでした。でも、こうやって見ると人間が海に流したビニールなどが、クラゲに見えるというのがうなずけますよね。